歯ぐきから血が出る・歯がグラグラする
歯ぐきから血が出る・歯がグラグラするのは歯周病(歯槽膿漏)です
歯槽膿漏(しそうのうろう)という言葉を耳にしたことがある方もいらっしゃると思いますが、歯槽膿漏(しそうのうろう)のことを専門的に歯周病と呼びます。歯周病は、歯に付着した歯垢(しこう)や歯石が主な原因です。歯垢や歯石は細菌を多く含んでおり、歯垢や歯石を除去しないと歯を支える骨である歯槽骨(しそうこつ)を溶かしていきます。
歯周病の進行は以下の通りです。歯周病は基本的に痛み等の自覚症状がありませんので、知らない内に症状がどんどん悪化してしまうという特徴のある病気です。
8020運動をご存知ですか?
厚生労働省ならびに日本歯科医師会が「80歳になっても20本以上の自分の歯を保とう」と8020(はちまるにーまる)提唱し、啓もう活動を1989年にスタートしました。
では、現状はどうなっているのでしょうか。厚生労働省の歯科疾患医療調査では、75以上で自分の歯が20本以上残っている人は約40%、75歳以上の平均残存指数(自分の歯の数)は約14本となっています。(人は、32本の歯を持っています。)
残存歯数の推移
1999年 | 2005年 | 2011年 | |
---|---|---|---|
35~44歳 | 27.2本 | 28.0本 | 28.0本 |
45~54歳 | 24.6本 | 25.6本 | 26.4本 |
55~64歳 | 21.3本 | 22.4本 | 23.2本 |
65~74歳 | 15.0本 | 16.8本 | 19.3本 |
75~84歳 | 8.6本 | 10.1本 | 14.2本 |
フッ素、キシリトールの普及や予防意識の高まりにより定期的に歯科を受診する方が年々増え、すこしずつ8020に近づいてきています。
歯を無くなる理由の41%が歯周病
日本歯科医師会の調査によると歯が無くなる理由の41%が歯周病で、第1位になっています。自分の歯をいつまでも残していきたいのは誰しもが希望することです。そのためには歯周病予防と治療が大切になってきます。
日本人の80%が歯周病です。なぜ歯周病を防げないのか?
日本人の成人約80%が歯周病(軽度も含める)と言われています。驚かれた方も多いと思います。では、なぜ歯周病を防げないのでしょうか。
歯周病を予防するには3つの要素が必要です。
- 正しいハミガキ
- 歯間ブラシまたはフロスの使用
- 歯科衛生士による定期的な歯のクリーニング
歯周病の原因となる菌を含んだバイオフィルム(歯垢や歯石)が歯に付着します。バイオフィルムは排水溝にこびりつくヌメリと同じです。ヌメリは、専用の洗剤を使ってゴシゴシと磨かないとなかなか取りきることはできません。
歯周病を予防するには、バイオフィルムを除去することが必要です。そのためには、歯科衛生士による定期的な歯のクリーニングが必要です。目安は3~6か月に1回です。
しかし、歯医者さんには1年以上通っていないという方が多いのが実際です。歯周病は痛みなどの自覚症状がありませんので、歯周病に関する知識がない場合は放置してしまうことがほとんどです。
歯ぐきから血が出たり、歯がグラグラしている方は歯周病が進行している状態ですので、早めに歯科を受診することをおすすめします。
歯周治療については歯周病治療ページよりご確認ください。